昨年リリースされたPOCのマウンテンバイク用ヘルメットTectal。1シーズン以上を経てのレビューです。

TectalはこれまでのTrabecというモデルに代わるトレイルライド、エンデューロ向けのハーフシェルヘルメットです。まずは全体的なフィットについてですが、POCのヘルメットというと欧米人向けの前後に長い形で被れる人を選ぶと言うイメージがあったかと思いますが、これは多少アジアンフィット的な改良がされていて、横長なアジア人の頭にも被りやすくなっています。加えて重量がXL-XXLサイズで370gと大幅に軽減されました。被った時の第一印象は軽い!

POC Tectal とWant Polarized(奥)

目立つのは前面に大きく開いた開口部。以前のモデルよりもより大きく開けられていて空気が取り込み易くなっています。実際頭がムレる感じはほとんどないです。そしてバイザーの位置が上下に動かすことができます。バイザーの上部に付いているネジをひねるだけで好きな位置で固定できます。

バイザー下

バイザー上

そして後方から見ると後頭部がしっかりとカバーされています(これは非常に重要)。加えてダイヤル式で頭周りのフィットが調整できます。このダイヤルの位置を上下に調整できるので、しっかりと頭部にフィットさせることができます。これがTectalの最大のセールスポイントだと思いますが、顎のストラップをしなくても頭を振ってもヘルメットが外れないほどのフィットはオススメです。

ダイヤルでフィット調整

しかもRECCOが内蔵されています。これは主に欧米で普及している遭難救助のシステムですが、もともとは雪崩救助の為に開発された捜索システムです。捜索には専用の捜索装置が必要になりますが、日本では電波法等々の関係でこれからの普及が期待されています。

ヘルメット内部は前面の開口部からしっかり空気が流れるようにスリットが入っています。

ヘルメット内側

内部のパッドは5個。速乾性の素材なので、汗をかいたらこの部分だけ取り外してザザッと水洗いすれば、毎回快適に使えます。

パッド

サイドはしっかりとこめかみまで覆うデザイン(これも重要)。

サイドから

そしてこのヘルメットの秀逸なのはこのストラップのデザイン。ヘルメットあるあるで結構このベルトが捻れたりしていらいらする場面も多いはず。ヘルメット本体に接続するベルトと顎を回るベルトの2本に分かれていて、それぞれがガイドを通ることで全く捻られることがありません。

ストラップデザイン

1年以上使用してみて、変わらず非常に快適です。ヘルメットによっては使っているうちにどこかが当たったり不具合が出るものですが、このヘルメットの関してはストレスを感じずに使い続けられています。ヘルメット選びは頭の形にや大きさよるフィッティングに左右されるので選べるデザインが限られてしまうのが最大の悩みです。比較的頭の大きいymknはXL-XXLサイズを使用していますが、被った時に必要以上に大きく見えないのも優秀なデザインのおかげかと思っています。

被るとこんな感じ

安全性という観点だけを考えてヘルメットを設計するとは直径1mを超えるような(被ると3頭身になってしまうような)ものになってしまうそうです。そのなかでPOCは「全力でアスリートを重大事故から守る事」をミッションをもとに機能性、通気性、そしてデザイン性のバランスをとりながら設計されています。実は昨シーズン、ノーススターのスタッフがとあるジャンプで転倒して頭部を地面に強打しましたが、POC製のヘルメット(別商品)が破損しただけで頭部は無傷でした。ヘルメットは決して安くありませんが、自分の頭部を守る需要なギアです。しっかりと良いものを選びましょう!