前回は「まずはオールマイティなマイボードを買って乗りまくろう」という話しでしたが、今回はそこからのバックカントリー用ボード選びをどうするかというお話し。

バックカントリーガイドであり、インストラクターでもあるymknがその疑問にお答えする2回目。

バックカントリー用=フリーライドボードとは?

一般的にフリーライドボードはディレクショナル(一方向に進む設計)で比較的固めのフレックスとトーション。ノーズ幅がテール幅より広いテーパードという形状で、ボード全体の幅を広げずにノーズの幅を広げることで浮力を稼いています。

またボードを横から見るとノーズからロッカー形状で反り上がっていて、両足の間がアーチ状(=キャンバー)になっているBURTONであればディレクショナルキャンバーと呼ばれるベント形状で、パウダーでの浮力とターンの操作性を向上させている設計のボードが多いです。

SKELTON KEYのディレクショナルキャンバー。こんな風に見ると形状がよく分かる。

フリーライドボードにはあるシチュエーションに特化した性能を持つボードもあります。最近流行りのショートファットなボードは幅がある分楽に浮いてくれて、長さが短い分小回りが利くので乗鞍ようなタイトなツリーランや浅いパウダーの時には最高のパフォーマンスですが、固くハードなバーンでは扱いづらいこともありえます。

以上のようなボードの形状や特性は必ずカタログやウェブサイトに書いてありますので、良く見てください。

往年の名機から最新モデルまで。パウダーボードと言っても様々な形状が。

選び方の3つのポイント

バックカントリーでは、かなり荒れた斜面で下った後に上りが少しある、パウダーと見せかけてその下にアイスバーンといった様々シチュエーションがありえます。そういった幅広いコンディションに対応することを考えると以下の3ポイントは抑えておきたいところ。

スタンダードなフリーライドボード

つまり際立った個性はないけど、パウダーから圧雪、ハードバーンからアイスバーンまで満遍なくハイスピードで飛ばしても安定した挙動のボードということになります。実際バックカントリーではパウダーではないこともありますし、パウダーのコンディションもマチマチ。スタンダードなボードは際立った個性がないかもしれないですが、そういった様々なシチュエーションで扱いやすい=楽しめるシチュエーションが増えるということになります。

ymknの考えるスタンダーなボード達。上からFlight Attendant、Landlord、そして今シーズンオススメのDump Truck。この中だとDump Truckが一番 “クセがスゴい!”

カービングが思い通りに気持ちよく走る

これはかなり主観的で、個人的なポイントですが、カービングが決まるボード=自分の入力に対して思い通りの反応があるボードはコントロールがし易いということになると思います。これは身長や体重、経験や脚力、ライディングスタイルの変化等々によって変わってくると思います。自分自身バックカントリーにどっぷりはまっていくに連れてより固めの反応が良いボードに好みが変わってきました。

少し長めのボード

最近のフリーライドボードはかなり取り回しがしやすくなっています。なので、長いボードであっても思った以上に振り回し易いと感じるかと思います。自分の場合、身長180cm、体重77kgで、標準的には158前後のボードとなりますが、バックカントリーでは163〜165のボードを選んでいます。バックパックも背負うのでその分重量も増えることもありますし、長いボードだと単純に安定感が増すのでスピードや悪雪で対応しやすくなります。

Dump Truck Split 165(上)とDump Truck 158(下)。山で乗るには165の方が安心感がある。

まとめ

上記3点がバックカントリー向けボードの選び方のポイントです。もちろんカタログやショップさんのアドバイスだけで選ぶのは難しいと思います。ベストは試乗会に参加することです。シーズン後半にはショップ主催やメーカー主催の試乗会が各地で行われるので参加してみてください。そしてノーススターでもBURTON Family Treeデモセンターとして歴代モデルから最新モデルまでの各種ボードを取り揃えています。半日または1日じっくり試乗できるのでぜひ試してもらって自分に合ったバックカントリー向けボードを見つけてください。

そして、バックカントリーのボードをゲットしたら、もしくは手持ちのボードでも初めてのバックカントリーツアーノーススターで‼︎