前回の基本姿勢からの続きで直滑降。山では結構大切なスキルです。

ちょっと間が開いてしまいましたが、第2回目は前回の基本姿勢の回の最後で触れた直滑降。これをもう少し深掘りしたいと思います。

我らがホーム、Mt.乗鞍スキー場は平坦な地形が多く、初心者スノーボーダーが滑っていくと途中で止まってしまうような場面が多くあります。なので、ノーススターのスノーボードレッスンでは比較的早い段階で直滑降の姿勢を教えます。

直滑降の基本姿勢

直滑降の基本姿勢に関してはリラックスした状態から肩と腰のラインを進行方向に対して45°向けながら、同時に膝と足首をしっかり曲げた姿勢を作ります。そこからやや後ろ足に重心を移します。ちょうどお尻を後ろ足の上に持ってくるイメージです。肩と腰のラインを捻ることで自然と後ろ足が曲げやすくなると思います。もちろん目線をしっかりと前に向けることも重要です。

リラックスした状態から肩と腰のラインを45°ひねった状態

こうすることで前足の加重が減るのでちょうどボートが波の上を乗り越えて疾走するようなイメージで雪面の凹凸を吸収しやすくなります。滑るときはどちらかのエッジに乗るのではなく、しっかりとボードの面で雪面を捉えていくイメージで滑ります。足裏に凹凸を感じるはずです。

さらに足首と膝を深く曲げて、お尻が後ろ足の上にある直滑降の基本姿勢(ヘッピリ腰に見えるけど、、、)

練習方法

練習はしっかりと安全を確保して他の利用者の危険にならないようにするのが大前提。最初は平坦な緩斜面から始めて、斜度を上げていきます。同じ斜面でスタート位置を徐々に上げていくことも有効です。慣れてきたら朝一番のしっかりと圧雪された斜面から始めて、徐々に荒れた斜面でも対応できるようにします。

というわけでお手本動画。

動画を見てもらうと上半身が安定した基本姿勢を作っているのが分かります。スローモションで見ると身体は安定していて足元でボードが凹凸に合わせて動いているのがわかるかと思います。

で、何が変わる?

この練習ではボードの上でのバランス感覚が養われて、自分の対応できるスピード域が上がります。メンタル的に恐怖心=「止まれなかったらどうしよう⁈ 」が解消されてくるので、「このくらいのスピードなら大丈夫」という自信につながります。そうすることでバックカントリーで下ってから乗り上げるようなシチュエーションや狭いツリーランを抜けて広い斜面に出るようなシチュエーション、そして何よりもスピードが大切なパウダーライディングでの滑りの幅が広がります。

ぜひ色々なコンディションで試してもらってバランスとスピード感覚を向上させてください。すでにバックカントリーに入っている方でも試してもらうと自分の弱点がわかって効果的です。お試しあれー。