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2018モデルのTransition Bikes SCOUTInstagramでちょこちょことレビューを書いていましたが、まとめてみました。

概要

SCOUTTransition Bikesのラインナップの中でも丁度真ん中、ロングストロークのダウンヒルバイクでなく、ショートストロークのハードテールでもない “オイシイ” ところを狙ったバイク。いわゆるトレイルバイクで、頑張ればジャンプトレイルでも、ダウンヒルコースでも乗れないことはないバイクです。近年エンデューロモデルが170mm程度のサスペンションストローク&29インチタイヤになり、実際のレースでの使用を想定したハイスピードモデルになってきています。SCOUTはその一回り小さいモデルという位置付けです。かつてはBottle Rocketというスロープスタイル用バイクがラインナップされていましたが、その流れも組んでもいます。

実際サポートをして頂くにあたって、流行りの29インチ(Sentinel)もどうかと思ったのですが、「ymknはガイドだから速く走ってもしょうがないでしょ?」という代理店のI氏の言葉に納得し、遊べるバイクということでSCOUTを選択させてもらいました。

デザイン

今回の大きなアップデートはSBG。ホイールベースが長くなりつつもハンドリングは機敏さを保つ設計で、実際ライディングに大きな影響を及ぼしていると思います。そしてSCOUTが特徴的なのはフロントサスペンションストロークが150mmなのに対しリヤサスペンションストロークが130mmと短く設定されている点で、ハードテールに近いキビキビとしたリアホイールの反応を意図したデザインになっています。

ライダーとフィールド

身長180cm、体重77kgの40代。レース経験は無しでもっぱらトレイルライドとそのガイディング。昨シーズンまではSCOUTのワンカテゴリー上のPATROLをライドしていたので、今回はそのバイクと比較しながらのレビューになりがち。フィールドの乗鞍高原は全体的に緩い斜度の中に登りも下りも含む、岩や根っこ、ガレ場のナチュラルなトレイルとバンクの連続するバイクパークが点在。

登り

この手のバイクで登りの良し悪しをどうこう言うものでもないとも思いますが、車重が軽い(14.33kg)こともあり、GiddyUp 2.0HHとバージョンアップしたリアサスペンションのデザインと合間って快適に登ってくれます。シートから腰を上げて登ってもペダルのパワーがしっかりとタイヤに伝わっている感覚があります。加えてSRAM GXの最大歯数50Tのスプロケットは人を怠けさせます。今までは歯数42Tでも十分だった登りがより楽になっていることは間違い無しです。当然ながらトレイルヘッドまで舗装路を登る際には50Tを使うことなく登れる程です。

ブン回せる⁉︎

SCOUTに乗って最初に気がつくのはフロントアップのし易さです。これは最近のトレンドでもあるチェーンステイ長(クランクの中心から後輪の中心の距離)が425mmと短い設計が要因だと思います。おかげでウィリーやマニュアルのやり易さは今まで乗ったバイクの中でピカイチです。フロントアップがし易いということは操作性の高さに繋がります。元々の設定が40mmのステムと780mmのハンドルバーでしたが、多少窮屈に感じたので、50mmのステムと800mmのハンドルバーに変更して自分にとってより操作し易いセットアップにしました。

操作性というとバイクの横方向への倒し易さ、方向を変える時の旋回性となります。横方向への動きは倒し易さはもちろんですが、倒した時の挙動が安定している(反応が予想できる)ので、特にバンクを走行する際に理想のラインを恐怖心無く狙っていけます。バイクの反応が分かりやすいので未舗装の駐車場などでリヤタイヤをスライドさせたり(=カッティーズ)も比較的容易にできます。簡単に言えば「ブン回しやすい」バイクと言えます。ちょっと無理をしても何とかリカバリーできます。

直進安定性

通常操作性が良いと、直進安定性が犠牲になるものです。確かにサスペンションストロークがフロント150mmでリアが130mmだと、160mmだったPATROLに比べれは縦の挙動は大きくなります。全長を比較すれば10cm程度違うので、安定性というかスピードが上がった時のスムースは欠けてしまうのは正直なところです。ただ、ヘッドチューブアングルが65°(PATROLと同じ)と寝かせてあるSBGの効能で、スムースではないにしても体の下でバイクが上手に暴れている感覚になります。特にバイク自身が足裏に吸い付いているような感覚が得られて、行きたいところに行けて不安定=コントロールできなくなるような危うさは見られません。

まとめ

総合的には「かなり遊べるトレイルバイク」というのが正しい評価でしょう。例えば「ENSで好成績を出したい」とか、「1台で富士見も下りたい」となるとチョイスはPATROLやSENTINALになってくるかと思います。また都市部に住んでいてトレイルメインで遊びつつ、移動にもバイクを使うというのであれば、ハードテールが欲しいところだと思います。ただ、とにかくトレイルで飛んだり跳ねたりキビキビと気持ちよく走ることをメインに富士見や白馬、ふじてんといったバイクパークでも遊びたいとなるとSCOUTは最高のチョイスになるのではないでしょうか?

すでに2019年モデルがリリースされていますが、SCOUTの日本国内での価格等はコチラから。

SBGとは

今回のTransition BikesはSpeed Balanced Geometry (SBG) という新しい設計で「ハイスピードでバイクをより安定させるにはどうするか?」という課題を解決しようとしています。ハイスピードでバイクを安定させるにはヘッドアングル(フロントフォークの角度)を寝かせて、ホイールベース(前後タイヤの距離)を伸ばす必要があります。そうなるとバイク全長が長くなるので安定しますが、低速時や斜度の少ないコーナーでのハンドリング、取り回しやすさやキビキビとしたバイクの反応というのは薄れてしまいます。

SBGではヘッドアングルを寝かせてホイールベースが伸びることで直進安定性を向上すると同時にフロントフォークのメーカーと掛け合い、オフセットを短くすることで、切れ込むようなキビキビとしたハンドリングとの両立を試みています。

加えてシートチューブの角度を立て気味にしてライダーの重心を前に持ってくることで重心位置がよりバイクのセンターに位置し、バイクの旋回性と上りのトラクション性能の向上を図っています。

つまり以前よりもハイスピードに対応しやすいことはもちろんコーナーでも理想的なライン取りをより容易に取ることができるということです。

Transition Bikesは小さいマウンテンバイクカンパニーで、ユニークでヤンチャなイメージですが、S社やT社のような莫大な開発資金があるわけではありません。ただその分非常に真面目にマウンテンバイクの開発と純粋にライディングの楽しさの追及に取り組んでいます。

Special Thanks to LOVE BIKES for the support!!