「スノーボードブーツを作る」と聞くと自作のブーツかと思うかも知れないですが、ブーツフィッティングの話しです。
スノーボードブーツ、特にソフトブーツは基本的に柔らかいので、スキーブーツとは違ってフィッティング特に不要だと思っていました。熱成形できるサーモインナーは別として、そこまでしなくても各社のブーツはしっかりと足になじむように色々な素材が使われていたりします。ただ、意外と皆さん「実はここがシビれて、、、」とか、「ここが当たってて、、、」といった悩みを持っている方が多いのも事実です。
カスタムインソール製作
そこで、バックカントリーツアーの常連ゲストさんに紹介されて東京のTown Pumpさんに行って「ブーツを作って」きました。今回は2つのパートがあります。一つはカスタムインソールを作る点と、もう一つはライナーをフィットさせることです。このTown Pumpさん、その筋では超有名店。オーナーのSoleman仁さんは、なんとトラビス・ライス、テリエ・ハーコンセンといった国内外のトップライダーのインソール作成とブーツフィッティングを行ってきました。
カスタムインソール(中敷)と言うと20年以上前のスキーをやっていた時代に一度作ったことがあり、好印象はあったのですが、スノーボードをやるようになってからは、スキーに比べてブーツもソフトだし、普通の靴と変わらない感覚であまり気にもしていなかったです。ただ、15年ほど前に右足を怪我して以来、ブーツを締めすぎると痺れるようになり、少し緩めにブーツを締めているのが常でした。
今回はこの数年愛用しているBURTONのSLXを持ち込んでフィッティングしてもらいました。まずは裸足で色々と計測してもらいます。その上でまずカスタムインソールの作成です。専用の機械に乗り、足型をとります。そしてインソールをその足型に合わせて整形することで、自分の足裏にぴったりのインソールが出来上がります。こう書いてしまうと誰でも簡単にできてしまう感じですが、そこは職人芸。足裏の形に合わせるだけでなく、多少形状を変化させることで足裏にフィットしつつもしっかりと足の指が動かせるようになっています。こうすることでターンをするときに実際に足の指を使って踏ん張ることができます。
ブーツライナーのフィッティング
そしてその後にライナーのフィッティング。意外と知られていないですが、バートンのブーツのライナーは専用のドライヤーのような機械で温めることで自分の足型にフィットさせることが可能です。ある程度温めて柔らかくなったところで、つま先やアタリがあるところにパッドを噛ませたりしてから実際に足入れをし、ライナーを足にフィットさせます。
かなりタイトですが、待つこと10分程、ライナーが自分の足の形に整形されました。そして出来上がったインソールと組み合わせて試し履いてみると「!!」 なんてこった、足がスゴ〜〜〜く楽。なんと言うか無理が無い、足湯にでも入っているような楽な感じ。これはかなりの感動ものです。
その効果は?
そのブーツで、今シーズンはゲレンデ、バックカントリーでのハイク&ライドを約2ヶ月程こなしてきましたが、まず第1にやはり足が楽。これまでより確実に疲労感も軽減されています。右足の怪我の箇所の痺れも痺れが来るまでの時間が延びたことと以前よりも強めに締め上げることができるようになりました。
滑りではやはりカスタムインソールの効果でしょう。足の指がしっかりと掴めている感じがするので、力を余すところなく、雪面に伝えられています。直滑降をした時には足裏に伝わってくる雪の感触や感覚がより鮮明になりました。また、昨年から始めたコアトレーニングの効果もあるのかとは思いますが、それと相まって今シーズンは転倒の回数が減っているような気もしています。
ハイク時ですが、インソール自体が少し硬めなので足が疲れるかとも思ったのですが、そういった副作用は無く、問題なくハイクできています。
自分としては足が楽になったことで疲労感が軽減されたのが最大のメリットだったと思っています。正直言えばフィッティングをするまでは半信半疑なところもありましたが、本当にやってみて良かった。これ程効果があるものに出会えたのは久しぶりです。おそらく、ボードを変えるよりも、ブーツをフィッティングさせた方が滑りは変わると思います。
TOWN PUMPさんはもちろんショップでもあるので、ブーツを購入してもらってのフィッティングがベストですが、それぞれ持ち込みももちろん可能です。その他かなりマニアなボードもラインナップしていますので、ぜひ一度色々と相談してみることをオススメします。ライディングが変わりますよ!