ノーススターのバイクシーズンは終わりましたが、終了間際の「トレイル限定解放イベント」に合わせてLOVE BIKESさんからTransition Bikesの3車種の試乗車をお借りしたので、ガイドしながら色々とテスト。そのレビューです。
テスターのymknは身長180cm、体重76kg。ガイド時以外は自走で登って下るスタイルのトレイルライダー。レースのバックグラウンドは無いので、一般のライダーに近い感覚でライドしているかと思います。
テストフィールドはもちろん乗鞍。スムースなトレイルもあれば、岩や根っこ、バームの続くコースもありの多様なフィールド。各バイクは前後サスのサグを30%にセットしてテスト。
SCOUT
普段乗っているのは一型前のSCOUT。リアストロークが10mm伸び、リーチとチェーンステイも長くなった最新モデル。元々スロープスタイル的なバイクなので、登り性能はまずまず。10mmのストロークアップも舗装路や林道の登りで問題になることは皆無。
SCOUTの売りはやはり軽快さ。フロントアップのし易さや旋回性は高いレベルで維持されています。ジャンプやドロップでのタイミングの合わせやすさは27.5インチのホイールサイズと相まってピカイチ。
旧型からの大きな違いとしてはバームのコーナーでの懐の深さが印象的でした。バームからバームの繋ぎやすさ、バームからジャンプへの動きが非常にやりやすい。しっかりとグリップしていて、そこからポーンと跳ねていく感じがとても小気味よかったです。タイヤの違いもあるとは思うけど、しっかりとサスのセッティングを煮詰めて乗り込みたいバイクです。
SENTINEL
このモデルは現在のメインストリームである登って下って跳べる29erのTransition的な回答。29インチならではの走破性とホイール径が大きいことによって犠牲になりがちな振り回しやすさを高い次元で融合させている人気のモデル。
テストした時は舗装路をトータルで30分ほど漕ぎましたが、ノーストレス。前モデルよりもこちらもリアストロークが10mm伸びてリーチも長くなり、よりハイスピード域での安定性が向上しています。実際ガレた下りをハイスピードで飛ばしてみましたが、その安定性は素晴らしかったです。加えて斜度のない下りでも勝手にバイクが走っていく感は高かったですね。
「ローカルなトレイルがメインで、月に1回ぐらいはバイクパークへ行くし、たまにENSにも出る。」という1台で色々楽しみたいライダーにはぴったりなモデルかと思います。
SPUR
今回のテストバイクの中で一番衝撃的だったのがコレ。「120mmストロークの “XC = Cross Country” バイク」と考えると自分のようなライダーの選択肢には入ってこないと思いますが、こちらは “All Country” 。XCバイクよりもヘッドチューブが寝ていて、より下りを意識したデザイン。
乗り出してまず驚くのはその軽さ。ちょっとしたギャップで跳んでも、コーナーで振ってもバイクが自分にしっかりくっ付いてきてくれる感じ! カタログ値で11.2kgという重量は普段15kg以上のバイクを乗っている自分からすると驚愕。全ての動作が軽く行えます。
しかしながらフレームが華奢なわけではく、しっかりとした剛性感があり、サスペンションのストロークも「本当に120mm⁈」と疑いたくなる程の懐の深さで、ハイスピードでも岩でもジャンプでもボトムアウトしたり、ストロークの短さを感じさせることは無かったです。
その軽さで当然登りも余裕。Transition BikesのPRムービーでは “eMTBの代わりにSPURに乗らせても違いに気がつかない!” 的に描かれていますが、ある意味それもウソじゃない感じです。
ピュアXCレーサーがどう評価するかは未知だけど、おそらくバイクパークでもそれなりに乗れてしまうピュアトレイルバイクといったところです。
まとめ
Transition Bikesはレースもやっているけど、やはり「乗って楽しい、マウンテンバイク最高!」と思わせてくれるバイクのラインナップですね。テストした3モデルはそれそれ個性があるので選ぶの難しいですが、、、
直感的に面白いと思ったのはSPUR。自分のスタイルに合っていて、ちゃんとセッティング煮詰めて乗り込みたいのはやはりSCOUT。”乗鞍だけで” 乗るならこの2台。SENTINELは乗鞍だと楽に乗れ過ぎちゃうけど、色んなフィールドで乗るなら絶対コレ。
といった感じでしょうか? 参考になれば、、、