アウトドアに慣れていない方には「レイヤリング」という言葉は聞き慣れないかも知れませんが、重ね着をして体温調節をすること言います。特に冬はこのレイヤリングが需要です。気温は下がりますが、行動中は体温が上がり、汗をかくこともあります。

このブログでは一般的なレイヤリング、ベースレイヤー、ミッドレイヤー、シェル(アウター)等について説明してあります。特にノーススターの乗鞍高原や上高地でのスノーシュートレッキングツアーで役立つ内容です。

ベースレイヤー(肌に直接触れるもの)

ベースレイヤーは肌に直接触れる、最初のレイヤー。雪の中でのハイク、スノーボード、スキー等体を動かすことで汗をかき、水分が体から発散されます。ベースレイヤーの役目はその蒸気を体の外に逃し、体をドライに保つことです。そのためベースレイヤーの素材は透湿性に優れ、速乾性の高いものが最適です。

◎ トップス(Tシャツ)とボトムス(タイツ)に加えて下着もウールやポリエステル製の素材のものを。

✖️ 綿製品やレーヨン(特に下着)は体から発せられる蒸気を溜め込んで保水しまうため、気温が下がった時に体を冷やすことになるのでNG

トップス:ファイントラック・ドライレイヤーシャツ(ポリエステル100%)

ボトムス:パタゴニア・キャプリーンタイツ(ポリエステル100%)

ソックス:ダーンタフ・ハイカーミッドウェイトソックス(メリノウール100%)

ミッドレイヤー(中間着:保温)

ミッドレイヤーはベースレイヤーの上に着用し、体からの熱を逃さず、保温のために利用します。例えば、フリースジャケットやダウンジャケット(パッカブルで小さくなるもの)等2~3着あれば、天候と気温に合わせて、脱ぎ着をして体温を調整します。

◎ 汗を蒸発拡散させられるフリースジャケットやウールジャケット、と熱を逃さないパッカブルダウンジャケットの組み合わせがベスト

✖️ 綿製品のトレーナーやパーカは体から発せられる蒸気を溜め込んで保水しまうため、気温が下がった時に体を冷やすことになるのでNG

トップス:マウンテンハードウェア・ポーラテックパワーグリッドフーディ(ポリエステル)

ボトムス:ファイントラック・ストームゴージパンツ(ポリエステル)

トップ:コロンビア・フリースジャケット
トップス:マウンテンハードウェア・ストレッチダウンジャケット(ナイロン/ダウン – パッカブル)
防水パンツの下にジーンズの着用はNG

アウターシェル(風雪からの保護)

アウターシェルは外気から自分を守る砦のような存在です。このレイヤーは雨や雪、風から体を守るために防水性と防風性が高い素材であることが求められます。雨や雪が降っていなくても、アウターシェルがあることでミッドレイヤーで貯めている温度を外に放出せずに体全体を温めてくれます。そのため、アウターシェルはフード付きで、全てのレイヤーがフィットして動きやすいサイズである必要があります。

◎ ナイロン製の防水性と透湿性が高い素材のジャケットがオススメ。Gore-tex,、H2No、Pertex Shield、eVent、OutDry等様々な素材があるので予算に合わせて。

✖️ ビニール製のカッパは防水性は高いですが、透湿性ゼロのため蒸気を溜め込みます。しかも簡単に破れる。

✖️ ジーンズを下に履くのはNG。ジーンズは綿製品。防水性の高いパンツの下に着用しないように。

ジャケット:Patagonia Triolet Gore-tex 3 Layer Jacket

パンツ:Outdoor Research Foray Gore-Tex Rain Pants

グローブ&ハット

グローブ

グローブもウェアと同様レイヤリングすることがおすすめです。防水性の高い厚手のグローブの下に薄めのウールや化繊のグローブを着用します。そうすることで変化する気象条件に対応しやすいのと同時に、薄手のグローブなら細かい作業にも対応できます。

◎ ウールや化繊のグローブに防水性の高いグローブの組み合わせ

✖️ 軍手など綿製品はNG

ハット

冬のアウトドアでは帽子も重要なアイテムです。頭部は多くの体温を溜め込むため、ニットキャップ/ビーニーで体温調節が可能です。ニットキャップやビーニーは多種多様なデザインがありますが、耳を覆えるデザインのものをを選びましょう。加えてネックウォーマーやバラクラバ(目出し帽)があると、悪天候では非常に有効です。

◎ 耳まで覆うことができる、ウールや化繊の帽子を使用

✖️ ベースボールキャップやバイザーは不向き

アイウェア

アイウェアは日光や風雪から目を守るのに非常に有効です。ハイキングに関してはゴーグルよりもサングラスがおすすめです。ゴーグルは歩行中に体温が上がるとその蒸気で曇ってしまう場合があります。その点サングラスであれば曇った場合でも外して調整が可能です。

◎ カジュアルでもスポーティでもデザインはお好みで

✖️ ゴーグルもOKですが、ハイクにはサングラスの方がオススメ

化繊のライナーグローブ+厚めで暖かく防水性の高いグローブ
保温性の高い帽子+サングラス+ネックウォーマー(厚すぎないもの)
マフラーやゴーグルはNG。行動すると暑くなります。

スノーブーツ(フットウェア)

スノーブーツは雪による濡れや寒さから足を守ってくれます。防水性が高く、十分な厚みの靴底とインサレーション(防寒素材)があるものを選びましょう。また、ブーツの高さも新雪に踏み込んで30cm以上沈んでも大丈夫な十分な高さのあるブーツがオススメです。

合わせてゲイターもオススメ。バンツの裾から雪が入り込むのを防いでくれます。ウールソックスと合わせて足先を暖かくドライに保ちましょう。

◎ 防水性/防寒性が高く、高さのあるブーツと厚めのウールのソックの組み合わせがベスト

◎ ゲイターの使用もオススメ

✖️ 防水性があってもスニーカーや長靴は不向き

サロモン・スノーブーツ
ハイキングシューズでもローカットで防水性の無いものはNG

あると便利なもの

ホッカイロ

ホッカイロがあると寒い日には重宝します。使わなかったとしてもバックパックやポケットに忍ばせて、寒くなった時や休憩時に使うと、すぐに温まることができます。

保温水筒

保温性の高い水筒でお好みの温かい飲み物を持ち歩くのも◎。ただし、コーヒー等利尿作用もあるものは要注意。

日焼け止め

冬なのに日焼け止め⁈ 日差しが強くなると雪への照り返しで日焼けする場合もあります。肌を乾燥から防ぐ意味でもあると便利です。

バックパック

色々な装備や気温に合わせてジャケット類の脱ぎ着があるので、バックパックをお持ちください。容量は15〜30Lで十分。装備に加えて、スナックや食べ物も持ち歩けます。グループやご家族で人数に応じて数個のバックパックをお持ちください。

行動食

ツアーの行程が1日でなくても何かしらの食べ物やスナックをを持っていきましょう。寒い時にはあなたの身体は暖かさを保つために通常よりカロリーを燃焼します。おにぎり等水分を含むものは凍ってしまう可能性がありますが、菓子パンやエナジージェル、お菓子等到着前に*コンビニ等でお好きなものをチョイスしてください。(*乗鞍高原内にはコンビニがありませんのでご注意ください。)

ヘッドランプ

上高地のツアーでは、最初にトンネルの中をハイクします。ヘッドランプがあると便利ですが、無くてもガイドが必要な灯りを用意します。