この数年、自分のE-MTBでツアーに参加されるゲストが増えてきました。興味を持っている方も多いかと思います。この数年で各社のE-MTBを乗ってみましたが、ノーススターでは最終的にSpecializedのLEVO SL COMP CARBONを導入することになりました。  

LEVO SLの良いところ

LEVO SLの最大の特徴はその重量。カーボンフレームで18kg程と、一昔前のダウンヒルバイクとさほど変わらない重さは取り回しのし易さにつながります。個人で乗るならともかく、さまざまな年齢層と体格の違うゲストが乗ることを考えると、ガイドツアーとしてはこれぐらいの軽さは外せない要素です。実際他社のハードテイルのE-MTBよりも軽いぐらいです。

E-MTBのバッテリーはダウンチューブに内蔵されていますが、この重さがバイク全体のバランスとライドフィールに影響を与えます。トレイルを下るときのブレーキのタイミングやバイクの操作性が変わってきます。Specializedは余裕のあるパワーでアシストするよりも、これまでのマウンテンバイクと変わらないライドフィールを実現するためにあえてバッテリー容量を犠牲にして車重を抑えました。

この重量とライドフィールが導入を決めた要因です。初心者でも取り扱いやすく、経験者であればこれまでのバイクと変わらない感覚でライドでき、上りでE-MTBの最大の魅力であるアシストの恩恵を受けることができます。

LEVO SLは他社のE-MTBに比べバッテリーの容量が少ない分、カタログ上では「5時間のライドが可能」となっています。これは「継続してモーターを稼働させた場合」なので、登りも下りもあるノーススターのガイドツアーであれば1日ライドしてもバッテリーが無くなるということはまず無いです。

でも体には悪い⁉︎

実際E-MTBに乗り始めて思うのは登りで使う体力は、通常のペダルバイクの1/3程度のイメージです。これまでマウンテンバイクに乗ってこられた方であれば、その楽さに驚くはずです。個人的には「人間をダメにする道具(笑)」と思っています。

なので、初心者向けのツアーではガイドスタッフはアシストをOFFモードにして走っています。トレーニング的な意味と初心者のツアーであればガイドがOFFモードで走ってちょうど良いぐらいのペースになります。

上手い乗り方

LEVO SLのアシストモードは上からTURBO 、TRAIL 、ECOとなります。ツアーではECOもしくはTRAILモードで、比較的軽めのギア(脚がクルクル回る程度)でペダルを踏んで登ることを推奨しています。

総じて初心者の方に多いのですが、登りの際に比較的重いギア(足の回転が遅め)でペダリングしている方が多いです。E-Bikeの場合だとこの登り方は余計にモーターに負荷をかけバッテリーの消費を早めてしまいます。加えて脚にも負担がかかります。

シートポジションを高くして、母指球でペダルを踏み、軽めのギアで脚を回転させるペダリングで登ることで、筋力的にもバッテリー的にも効率的に登ることができます。実際は速い回転のペダリングはバランスを取るのが少し難しいという側面もあります。

E-MTBの苦手なところ

E-MTBの苦手なところはウィリーやバニーホップといったアクションライドです。こういったライディングスキルは車重があるE-MTBの場合、体重移動をより大きくする必要があるので、習得するのはかなり大変です。

アクションライドのスキルに関してはジャンプバイク等の通常のペダルバイクを使って習得した上で、E-MTBでそのスキルをトライしてみるのがオススメです。

とりあえずLEVO SLは軽い分、マニュアルやウィリーは問題なくできるようになりました。流石にバニーホップは高さが出ないですね。

当たり前ですが、E-MTBがアシストしてくれるのはパワーのみ。なんとなく乗ればスキルアップできるような気がしますが、そんなことはありません。スキルは地道に身につけましょう。

下りは普通のバイクと変わらない

基本的に下りに関しては通常のバイクと同じ感じです。車重がある分より安定しているかと思います。E-MTBでアップ系のジャンプはしたことはないですが、出来ないことはないようですね。LEVO SLに関しては、乗鞍のトレイル内のドロップ、バンクコーナー等は難なくこなします。車重のせいでブレーキが遅れるとか、バランスが崩れるといったことは無いと言えます。

ノーススターでは6台導入

ノーススターでは以上のような要素を総合して、E-MTBピクニックライドといったライトなツアーから、経験者が1日ライドし倒すようなツアーまでに対応できるという理由でSpecialized LEVOの導入を決めました。

サイズは以下の通り

  • S1 x 1台(XSサイズ相当)対応身長:150〜160cm
  • S2 x 2台(Sサイズ相当)対応身長:157〜173cm
  • S3 x 2台(Mサイズ相当)対応身長:165〜180cm
  • S4 x 1台(Lサイズ相当)対応身長:173〜188cm

特に気になっている経験者の方に試乗も兼ねてツアーに参加してもらえたらと思っています。

今回の導入に関してはSpecialized Japan、アンバサダーの丸山八智代氏、松本市のバイクショップBike Ranchにお世話になりました。ありがとうございました。